大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(オ)515 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点、第二点、第四点、第六点について。

所論は、上告人Aの集金横領の事実につき原判決は書証を無視して事実認定をな

し且つ審理不尽の違法があるという。しかし、上告人Aが被上告会社の集金業務に

従事中、原判示のように被上告会社の集金を着服横領し又は被上告会社の承諾なく

して同会社の売掛残金を免除して合計一八万二二七三円の損害を被上告会社に与え

た旨の原判示認定は、原判決挙示の証拠により肯認できないことはない。原判決が

上告人提出の乙一、二、一八、二〇号証をいずれも排斥していることは、判文上明

らかであり、右認定の過程において所論違法のかどは認められない。所論は、ひつ

きよう原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定を非難するに帰し、採用でき

ない。

同第三点および第五点について。

所論は、被上告会社において、提出命令を申請された文書の提出不能の事実を立

証できない限り、民訴三一七条の適用があつて然るべきであるという。しかしなが

ら、民訴三一七条の要件事実は、その適用を主張する上告人において立証責任を負

担すること当然であつて、被上告人が右文書を故意に毀滅した旨の上告人の主張は

これを認めるに足る証拠がないから、民訴三一七条の適用を求める上告人の主張を

採用しない旨の原審の判断は相当であり、原判決に所論の違反はない。論旨は採用

できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

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